九州工業大学学術機関リポジトリ

国立大学法人九州工業大学

戦略的研究ユニット化促進プロジェクト

お知らせ

2017.12.15

2017年12月21日 第35回物性グループセミナー

【日時】

2017年12月21日(木) 16:30-18:00

【場所】
九州工業大学戸畑キャンパス本部棟1F TV会議室 & 飯塚キャンパス (飯塚)TV会議室 (TV会議システムを使って行います)

【講演者】

美藤正樹 (基礎科学研究系・教授)

【タイトル】

キラル磁性体におけるトポロジカルスピン秩序に関する研究

【概要】

トポロジカルなオブジェクトとして、壁(wall)、ねじれ(kink)そして渦(vortex)が挙げられる。それがスピン系で見せる振舞いはスピンデバイスへの期待を抱かせる。最近、キラルな磁気構造に外部磁場を印加した環境下で、上記のトポロジカルなオブジェクトが格子を形成することが発見された。カイラルソリトン格子(CSL)やスキルミオン格子がその具体的な例である。カイラルソリトン格子(CSL)の場合、周期的に並んだkink(ソリトン方程式に従うため、業界ではソリトンと読んでいる)が磁場変化に対して出入りする。この分野は理論主導で研究が進展していた分野であるが、最近では、ソリトンの出入りが、結晶サイズや結晶外形そして結晶の微細加工構造に依存し、まさにトポロジカルなスピン秩序であることを実験的に裏付ける結果が続々と得られている。セミナーでは、数ミリメートルレベルから数マイクロメートルサイズに渡る多彩な結晶に対する最新の磁気測定の結果をお見せし、トポロジカルなスピン秩序ならではの振舞いを紹介する。