九州工業大学学術機関リポジトリ

国立大学法人九州工業大学

戦略的研究ユニット化促進プロジェクト

お知らせ

2018.02.14

2018年2月28日 第37回物性グループセミナー

【日時】

2018年 2月28日(水) 17:00-18:00

【場所】
九州工業大学戸畑キャンパス本部棟3F 3F1会議室 & 飯塚キャンパス研究管理棟3F第2会議室 (TV会議システムを使って行います)

【講演者】

谷口博基 (名古屋大学・准教授)

http://vlab-nu.jp/member/134.html

【タイトル】

ユビキタス酸化物による新規機能性誘電体の設計と開発

【概要】

電場の印可によって電気伝導率を制御するトランジスタの開発がエレクトロニクスの飛躍的な発展を導いたことからも明らかなように、入力と出力をつなぐ応答(輸送)特性の研究は先端技術開発において特に重要である。その中で、物質に加える電場とそれによって生じる分極をつなぐ誘電応答は、キャパシタやフィルタ、センサとして広く応用されており、今日の電子デバイスを土台から支える応答特性である。我々のグループでは結晶構造デザインと欠陥制御の両側面から、地球上に豊富に存在する酸化物(ユビキタス酸化物)による新しい誘電応答機能性材料の開発に取り組んでいる。本講演では、光による誘電応答特性の制御を可能にする光応答性誘電体の開発と弾性的不安定性によって誘起される間接型強誘電性相転移の創出の2点に焦点を絞り、これらに関する最新の成果を紹介したい。特に、後者においては間接型強誘電体特有のユニークな相転移物性を活かして、PZTを超える焦電発電性能が見積もられている。

講演では、この成果と関連してマルチフェロイック物質に代表される間接型強誘電体の
微小エネルギーによる環境発電への応用可能性を議論する予定である。