九州工業大学学術機関リポジトリ

国立大学法人九州工業大学

戦略的研究ユニット化促進プロジェクト

お知らせ

2020.01.14

2020年1月28日 第50回物性グループセミナー

【日時】

2020年 1月28日(火) 16:30-18:00

【場所】
(戸畑) 戸畑キャンパス本部棟3F 第1会議室 (TV中継)

(飯塚) 研究管理棟3F 第2会議室 (TV中継)

【講演者】

田中啓文 (生命体工学研究科人間知能システム工学専攻・教授)

【タイトル】
ナノマテリアルによるニューロモルフィック演算

【概要】
近年深層学習の優れた計算能力が広く認知され,人工知能の実応用が急速に広がっている。一方で,人工知能アルゴリズムを実行するハードウェアは,シリコンCMOS技術のスケーリングの物理的限界に直面し,性能向上は頭打ちである。このため神経情報処理系である人工ニューラルネットワークやその応用形である深層学習システム (以下これらを人工知能システムと呼ぶ) を物理的に実装するハードウェア技術とそれを支える新しい材料・デバイスへの関心が高まっている。求められるデバイス機能として,従来の計算システムと決定的に異なるのは,ダイナミクスの利用である。ナノマテリアルの非線形性やネットワーク構造を巧みに用いることで,自発的にパルスやノイズを発生するデバイスの実現が期待される。これらのデバイスは人工知能システムの飛躍的な低消費電力化や高集積化を可能とする。また,ニューラルネットワークの学習プロセスでは,重み付き加算 (積和演算) 部分の重みを絶えず変更し記憶する必要性があり,これに代わる電力消費量の小さいデバイスも求められる。我々は分子やナノカーボンマテリアルを用い,ニューラルネットワークに置き換わる機能を実現する研究を進めている。講演ではこれらナノマテリアルとネットワークの形成,機能化のポイント,および我々の最近の研究成果について紹介する。